編集技術の例を挙げるとすれば、十年ほど前から、随分変わってきました。バーチャルな仕事になってしまいました。昔は、編集台の上にフィルムをかけて、実際に手で回して編集をしていたのに、今ではすべてが速くバーチャルに、ボタンを押すだけで編集ができるようになってしまっています。たとえばナンバー50の映像のあとに、ナンバー100の映像を繋ぎたいとすると、すぐにその100の映像が見つかって、ナンバー50の映像に戻りたいとしても、すぐに50の映像が出てくる。このように、バーチャルなエレクトロニクスの仕事で、本当にすぐに編集できるようになってしまっています。そうすると、私には時間がなくなってしまった。時間が廃絶されてしまったような気がするのです。すぐに過去の中に入っていく。過去に向かっていく。そのため過去に遡っていく時間がもうなくなってしまっています。フィルムの場合は、早回しにしても、その過去の部分まで戻っていく時間があって、考える時間がありました。このように今、過去・現在・未来、すべてがなくなってしまっているような気がします。編集においては、過去・現在・未来がなくなってしまっています。人生にしても同じで、すべてのものがすぐ手に入れられることができる。私はビデオにしても、ひとつかふたつの操作を知っているだけで、その他の操作を知りません。果たして、将来、「プレイ」という操作すら必要なくなってしまったら、どうすればいいのか、考えてしまいます。
July 4, 2009