November 24, 2008

 古代ギリシアの歴史家にヘロドトスという人がいた。彼はピラミッドを実際に見て、「大ピラミッドは、10万人の奴隷が20年間働いてつくった、クフという残忍なファラオの墓である」と記している。

 2500年前のこの話が、定説としてずっと語り継がれてきたのだが、最近の新発見から、これに対する強力な反論が出てきた。1990年、ピラミッドのすぐそばで、ピラミッドをつくった労働者たちの墓が発見された。これまでに600以上の墓と1000体あまりの遺体が発掘され、そこから意外な事実が明らかとなったのだ。

 まず、遺体の中には、脳外科手術や切断手術、骨折の治療など、高度な医療がほどこされたものが多数見つかった。さらに、遺体の男女比は半々であり、子供の骨も出てきた。これらのことから、奴隷がピラミッドをつくったのではなく、ふつうのエジプト国民が家族で暮らしながら工事をしていたことがわかった。

 では、なぜピラミッドがつくられたのか。ファラオのなかには、ひとりで5個もピラミッドをつくったものがいる。墓ならば、ひとつあれば十分ではないか?

 1974年、新説が発表され、大きな議論を巻き起こした。それは、「ピラミッド建設は、エジプト国民救済のための公共事業である」というものだ。